1.3次元CADによる業務革新 ダイキン工業株式会社 浜田恒彰
本章では3次元CADの活用、それによる設計・開発の業務革新の取り組みについて述べる。
3次元CADは1990年代に登場し、CAE(シミュレーション)ツールや設計データベースとともに今や設計・開発プロセスを遂行する中核をなすITツールの1つになりつつある。
また、設計部門が利用するCAEツールとは違って、BOMとともにものづくりプロセスに深く関連し、設計とものづくり部門が知恵を出し合う協調開発(コンカレントエンジニアリング)を強力に推進するツールであると言える。
図 設計・開発の全体フレームワークと3D-CAD
3次元CADが生み出すデータ(3次元モデル)は、そのわかりやすさから金型や製造部門のみならず品質管理部門や営業、サービス部門にまでその活用の範囲を広げつつあり、海外のサプライヤや生産部門とも言語の壁を越えた情報伝達の手段として利用されている。
ただし、設計・開発の業務改革を行える潜在能力を十分に引き出すためには単なる3次元CADの操作習得だけでなく、場合によっては設計・開発のプロセスや組織まで見直す必要がある。
本章では、これまでの3次元CADの活用の歴史、いわば各企業の3次元CAD使いこなしのための苦労の歴史を関西EACでの発表事例を中心に振り返り、「旧きをたずねて新しきを知る」という視点の中で今後の展開の一助としたい。
<以下、詳細は本書参照>