設計開発力強化マネジメント-設計現場にみる実情と展望-KEAC編

設計とその現場をもっと強く、決して負けないように・・・各社の実戦に根ざす要諦がこれだ

 

 

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5.変化する外部環境,社会的要求への対応        富士ゼロックス株式会社 河添 俊幸
                            増田技術士事務所 増田武司 

 日本におけるものづくりを取り巻く外部環境は大きく変化をし続けている。

 関西EACが創立された50年前,製造業は国内資源の少ない国が生き残る方策として,国内で生産し海外に製品を輸出する外貨獲得型の産業として躍進を遂げてきた。しかし,経済のグローバル化により,否が応でも市場は世界規模での競争活動に広がりはじめ,生産コスト削減のために,生産拠点を海外の最適な拠点に移転しなければ生き残ることが難しい環境に変化してきている。

 また、20世紀までに高度成長を遂げてきた先進国と,急速に経済発展を遂げている国々による地球規模の環境汚染は,これからの世代の大きな負の遺産になり始めている。製造業は環境に配慮した設計を推進するとともに,生産段階におけるCO2の排出削減のほか,環境物質規制に対応したものづくりが求められている。また一方で,製品事故防止に対する対策は企業の社会的責任として重要な経営課題となっている。製品事故の実態と防止対策,製品安全における法令・制度についても設計に影響を与える重要な社会的要求事項として制度化・法制化が進んでいる。過去においては決められた法律・基準を守っていれば,大きな社会的制裁を課せられる事がない状況が続いてきた。しかしPL法施行等のグローバルな環境の変化に伴い,安全環境と製品安全に対する取り組みを誤った場合,企業が受ける損失は企業の存続を危うくするレベルにまで高くなってきた。

 関西EACにおいては,この観点から安全環境と製品安全に関するテーマを毎年取り上げてきたが,本章ではこれらのテーマについて,ISOをはじめとした欧州主導型の世界標準の動きと,世界各国における輸出入の規制事項及び,高度成長期には置き去りにされてきた環境をめぐるグローバル化した地球規模の環境問題,そして製品安全のための各種法律への対応など,拡大し続けるものづくりのために求められる社会の変化とその対応について研究発表された事例をもとに,企業の取り組みを紹介していく。
なお,安全に関するテーマは,関連する法律・基準の理解を深めるためのものと,各企業における適用事例に関するものとに大別できるので,分割してまとめた。

 設計者は時代とともに変化し続ける社会の膨大な情報から,製品設計に必要な情報を探し出し,製品の設計を進めていかねばならない。これらのテーマを中心として「変化する外部環境,社会的要求への対応」を考えていきたい。
            <以下、詳細は次のリンクからどうぞ → リンク1 リンク2>